フィリピンの日本語教育事情いろいろ

こんにちは。Junです。

フィリピンで日本語教師になりたい方むけに、今回はフィリピンの日本語教育事情について色々まとめました。

フィリピンでの日本語教育の歴史とか、学習者数とか、そういったデータは国際交流基金さんの方でまとめられているので、気になる方は国際交流基金さんのページを参照ください。

>>国際交流基金の調査結果を見る

この記事を読むと・・・
  1. フィリピンの日本語学習者にはどんな人がいるのかわかる。
  2. 学習者のレベルがわかる。
  3. 先生のレベルがわかる。
  4. 学校の設備や授業時間などがわかる。

日本語を学習する人、その目的は?

私は現地の日本語学校に勤めていますが、学生は20〜30歳の生徒が多いです。

理由は様々で、日本のアニメが好きで勉強している人、旅行に行くためにサバイバルジャパニーズを学びたいという人、将来、日本で働くために勉強している人、日本での就職が決まっていて、日本へ行く前のトレーニングとして日本語を勉強する人など、学習者の目的は多岐にわたります。

私の学校で一番多いのは、アニメや文化が好きで勉強している学生です。生徒としては大学生や無職の方が多いです。

そして、次に多いのが日本に看護師や介護士として働くために日本語を勉強している学生です。フィリピンで介護や看護の仕事をする場合、給料の安さから生活が困難なようで、どうしても給料の良い日本で働きたいという人が多いようです。

私の学校では、学生のほとんどが趣味で勉強している人か日本で介護士や看護師になるために勉強している人がほとんどですが、三菱やキャノンといった日本企業の進出もあり、企業での日本語レッスンもちょくちょくあります。


学生の日本語のレベルは?

日本語を学ぶ学生のほとんどは0初級です。ですから、ひらがな、カタカナからスタートします。

N4ぐらいまでは、日本語を学習する学生も多く、グループレッスンが主ですが、N3、N2となると授業料も上がることから、継続して勉強する人はかなり減ります。

そのためグループレッスンは少なく、1対1でのプライベートレッスンが多くなります。

グループレッスンの場合、人数は3人〜10人ぐらいが主で、日本のように大勢を相手に授業することは稀です。

先生の日本語のレベルは?

フィリピンでは、フィリピン人日本語教師が日本語を教えている学校が多いです。

先生のレベルの様々で、N5の先生も入れば、N4、N3、N2の先生もいます。数として多いのはN4〜N3だと思います。

先生の中には日本に住んだことのある先生も入れば、一度も日本へ行ったことがない先生もいます。

授業ではタガログ語や英語を使って間接法を使って教えることが多いです。

学校での授業時間は?

私の学校での授業は1コマ3時間です。他の学校でも1コマ3時間が一般的なようです。

日本の日本語学校なら、1コマ:1時間〜1時間半が一般的なので、1コマ3時間はかなり長いですね。私も実際に教えていて、いつも「長いな〜」って思っています。3時間立ちっぱなしなので、授業が終わった後はかなり疲弊していますし、学生の集中力を維持するのも難しいです。(途中15分休憩はあります。)

「1コマ3時間」の理由としては、やはり回転率をあげて、収益をあげようという経営者側の考えのようです。まぁ、社員にお給料のため、仕方がないですね。

 

ちなみに、企業での授業の場合、1コアの授業時間は企業によります。

1時間のところもあれば、2時間のところもあります。でも、企業研修ということで、定時後や昼休憩の時にに教えることが多いので、さすがに1コマ3時間はないですね。

学校の設備は?

企業で日本語を教える場合は、プロジェクターやレーザープリンターが完備されていて、教えるには十分の設備が整っています。

しかし、ローカルの日本語学校の場合、基本的に経営ギリギリでやってますので、各教室にプロジェクターはありません。ホワイトボードだけあります。

そして、プリンターもホームプリンターなので、印刷するのにかなりの時間が掛かり、不便な環境で働くことになります。


授業で使う教科書は?

授業で使う教科書は学校により異なりますが、だいたいが「みんなの日本語」か「げんき」のようです。

他にもオリジナルの教材を作って運営している学校もありますが、内容は「みんなの日本語」や「げんき」とそれほど違わないと思います。

「まるごと」や「できる日本語」のようにタスクシラバスで教えている学校はまだまだ無いですね。

授業の進め方は?チームティーチング?

日本国内ですと、チームティーチングで先生が交代しながら授業を進めていく学校が多いと思いますが、フィリピンの学校の場合、担任制で一度そのクラスを受け持つと、コースが終わるまで担任が教えることが多いです。

そのため、担当になった講師が生徒の出席管理や成績評価、テストなどを行います。

最後に

まとめ
・学生の学習目的は様々(趣味や仕事のためがほとんど)
・学生は0初級から勉強する人が多い
・ローカルの学校の場合、1コマの授業時間は3時間が主
・学校の設備は整っていない
・教科書は「みんなの日本語」か「げんき」を使う学校が多い

いかがでしたでしょうか。上記がまとめになります。

「1コマの時間が長い」、「学校の設備は整っていない」などの、デメリットがありますが、与えられた環境の中で、皆、うまくやっています。

フィリピンで日本語を教えたいという方で、かつ、ITを活用した授業をしたいという方には、フィリピンで教えることをあまりおすすめできません。

私は、最近、ipadを使って授業をしますが、やっぱりプロジェクターが欲しいところですね・・・。

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