【日本語教師】できる日本語を使った教え方と授業に必要なもの

こんにちは。Junです。

以前、「みんなの日本語」からタスクシラバスの教科書に移行するなら「できる日本語」がおすすめだと紹介しました。

今回は、この「できる日本語」を使ってどうやって授業を進めれば良いのかを紹介したいと思います。

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「できる日本語」を使った授業の進め方

できる日本語の各課の流れは次のようになっています。

授業の流れ
  1. 話してみよう
  2. 聞いてみよう
  3. スモールトピック(チャレンジ→言ってみよう→やってみよう)
  4. できる!
  5. 話読聞書
  6. もう一度聞こう

1.話してみよう

ここでは、各課のトピックについて写真を見ながら話し合います。

学習者にはできるだけ日本語を使わせて会話させたいところですが、初級の始めの段階では言えることがかなり限定されるので、英語や媒介語を交えながら話した方がスムーズに進むと思います。

2. 聞いてみよう

ここでは、実際の場面でどのような会話が行われているのかをCDで聞きます。

この課で学習する文型や言葉を使って会話をしているため、始めは理解できることが少ないでしょうが、どういった単語が聞き取れたのか、どういった話だったのかある程度イメージできれば良いです。

3, スモールトピック

初級では3つのスモール、初中級では2つのスモールトピックがあり、各トピックで「チャレンジ」→「言ってみよう」→「やってみよう」という流れで授業を進めていきます。

以下は「できる日本語 第1課」のスモールトピック1になります。

画像出典:https://ec.alc.co.jp/book/7008004/index.html#audio

教師はまずこの絵を見せて、この「ここはどこですか」「人たちは何をしていますか」と問いかけ状況を確認します。

それから、「チャレンジ」として各イラストを見ながらどんなことを話しているのか推測させます。

例えば、上の1のイラストの場合、次のようにしてチャレンジします。

●CDを聞く前に
T:二人は何をしていますか。
S:自己紹介
T:そうですね。じゃあ、何と言っていると思いますか。
S1:パク
S2:ダニエル
T:いいですね。じゃあ、CDを聞きましょう。
●CDを聞いてから
T:女の人は何と言っていましたか。
S:パクです。
T:そうですね。自己紹介で名前をいう時は、「name + です」と言います。

このように、始めから文型を教えるのではなく、まずは学習者に考えさせて、CDでどのように言っているのかを確認し、最後に説明するという流れになります。

初級前半の場合は、話せる言葉が少ないので英語や媒介語で運用しなければ進行は難しいですが、徐々に使える日本語が増えてくると日本語だけでもクラスをまわせるようになっていきます。

文法の説明が終わると、「定着」させるための活動として「言ってみよう」があります。言ってみようは「別冊」と「本冊」の2種類あり、まずは別冊で短文レベルで練習し、言えるようになったら本冊を使って会話レベルの練習をします。

4. できる

タスク遂行型の「できる日本語」では、もちろん文型が使えることがゴールではなく、「タスクを遂行すること」がゴールです。

ですから、課の最後に、行動目標に則した総合的な活動を行います。

イベントの企画・実行や出身国のガイドブックを作って自分や自分の周りのことを紹介する活動など色々あるので、学習者は楽みながら日本語を使うことができます。

5. 話読聞書(わどくぶんしょ)

少し長い文を読んで、話の内容について話し合ったり、学習者の場合はどうかなどを話したりします。

トピックによってはミニスピーチなどの活動にも広げることができます。

6. もう一度聞こう

「聞いてみよう」で聞いた内容をもう一度聞きます。

言葉や表現を学習した後に聞くので、1回目で聞き取れなかった内容が聞き取れるなど、学習の成果を実感することができます。

以上が、ざっくりとして「できる日本語」の授業の進め方です。

「できる日本語」で教える時に必要なもの

続いて、「できる日本語」を使って授業を円滑に進めるための最低限、必要なアイテムを紹介します。

それは「プロジェクター」「できる日本語の教え方ガイド&イラストデータCD-ROM」です。

教え方ガイドはあまり必要ではないのですが、この中に教科書のイラストデータが含まれているので、これをプロジェクターに映して授業をすると効果的です。

もちろん教科書だけ使って、授業を進められないこともないのですが、その場合、「1の絵を見てください」、「3の右の吹き出しを見てください」のように毎回、見て欲しい場所を口頭で指示しなければいけませんし、かなり難しいです。

試しに少人数のクラスで口頭だけでやって見ましたが、かなり難しかったです。

プロジェクターに映せば、登場人物や吹き出しを指して「何と言いますか?」とだけいえば良いだけですし、登場人物が増えても、指示棒だけ移動させれば良いのでかなり楽です。

これから、「できる日本語」を使って授業をしようと思っている方は、「プロジェクター」に「できる日本語の教え方ガイド&イラストデータCD-ROM」のイラストデータを映しながらやってみてください。

さいごに

今回はタクス先行型の教材「できる日本語」を使ってどうやって授業を進めれば良いのか、授業で最低限必要な物は何かを紹介しました。

登場人物も「みんなの日本語」に比べ、可愛らしいので私はとっても気に入っています。

現在、文型中心で教えられている方は、ぜひ「できる日本語」を使って見てください。

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